ユジャ・ワンがベルリン・フィル・デビュー、指揮はパーヴォ・ヤルヴィ
中国人ピアニストのユージャ・ワンが、プロコフィエフのピアノ協奏曲第2番でベルリン・フィルと初共演を果たしました。超絶的技巧、パフォーマーとしての華の点で、今最も話題のピアニストのひとりですが、最初のベルリン・フィルとのステージを切れ味鋭くクリアしています。ショスタコーヴィチの交響曲第1番は、作曲家が弱冠19歳のときにレニングラード音楽院の卒業制作として書いた初期の傑作。NHK交響楽団の首席指揮者に就任した俊英パーヴォ・ヤルヴィの指揮でお楽しみください。
2013年、中国人ピアニストのユージャ・ワンはベルリン・フィルの主催によるデビューリサイタルを行ない、目が覚めるような卓越したテクニックと響きのニュアンス感覚を聴衆に披露しました。そのワンが今回ソリストとしてベルリン・フィルと初共演を果たしました。演目はプロコフィエフのピアノ協奏曲第2番。ヴィルトゥオーゾ風の色彩の鮮やかさと音楽的な深みが合わさったこの作品を、若きピアニストが鋭敏な感性で弾ききっています。
指揮者のパーヴォ・ヤルヴィは、2013年4月の客演で久々にベルリン・フィルにカムバックし、話題を集めました。今回指揮したショスタコーヴィチの交響曲第1番は、作曲家が19歳のときにレニングラード音楽院の卒業制作として書いたものです。プロコフィエフを手本にした跡が見られるこの作品には、反抗的な笑いと激情とが同居し、すでに後年のショスタコーヴィチの創作の特徴を見て取ることができます。1926年、ニコライ・マルコの指揮によって初演された本作は大成功を収め、ショスタコーヴィチは交響曲の新たな歴史を切り開いていくことになりました。交響曲の新しい形を試みたという意味では、シューマンの「序曲、スケルツォとフィナーレ」についても当てはまります。彼は当時流行していた「浅薄な序曲スタイル」に対抗する形で、この佳作を書き上げたのでした。シューマンにも熱い想いを寄せるヤルヴィの鋭敏な解釈でお聴きください。
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