ブロムシュテットのブラームス「第1」、A・シフのバルトーク「ピアノ協奏曲第3番」
アンドラーシュ・シフは、知的で思慮に溢れたピアニストとして、現在欧州で極めて高く評価されています。その彼が弾くバルトークのピアノ協奏曲第3番は、白血病に侵された作曲家晩年の作品で、旋律性と滋味に溢れ、ほとんど宗教的な透明さを感じさせます。現在、コンチェルトを弾く回数が比較的少ないシフですが、この作品は以前より得意のレパートリー。演奏会後半では、日本でも人気の高いヘルベルト・ブロムシュテットによりブラームスの交響曲第1番が演奏されています。
ヘルベルト・ブロムシュテットとアンドラーシュ・シフはどちらもベルリン・フィルと長い関係を持つアーティストですが、このオーケストラで両者が共演するのは今回が初めてとなります。シフは知的で思慮に溢れたピアニストとして、現在欧州で極めて高く評価されており、これまでベルリン・フィル主催のリサイタルではベートーヴェンやバッハのツィクルスで聴衆を魅了してきました。その彼が弾くバルトークのピアノ協奏曲第3番は、ニューヨークに亡命後、白血病に侵された作曲家晩年の作品です。旋律性と滋味に溢れ、ほとんど宗教的な透明さを感じさせます。
ブロムシュテットはこれまでベルリン・フィルへの客演でベートーヴェンやブルックナーの卓越した解釈を披露してきましたが、ブラームスを共演するのは初となります。ブラームスは約15年かけて作曲したこの交響曲第1番により、ベートーヴェンの後継者としての名声を確立させます。彼は曲の形式とオーケストラの編成に関してはウィーン古典派のスタンダードを継承し、英雄的で堂々たる音楽を作り上げましたが、同時にこの作品において独自の作曲スタイルを見出したのでした。それは主題と動機の原素材を発展・変奏させる特徴的な手法です。89歳にしていまだ生気溢れる音楽を披露するブロムシュテットの指揮により、ブラームスの「第1」のダイナミックな側面が明らかになっています。
© 2017 Berlin Phil Media GmbH
関連インタビュー