ラトルがバルトークの《青ひげ公の城》を指揮

サー・サイモン・ラトルがバルトークの《青ひげ公の城》を指揮しました。作品のテーマは、「愛し合っていながら分かり合えない男女の愛の不条理」。オペラ史上においても、最も個性的で感動的な作品のひとつと言えるでしょう。ソリストはイスラエルのメゾソプラノ、リナート・シャハム(ユーディット)、ハンガリーのバス、ガボール・ブレッツ(青ひげ)が務めています。また前半には、オーストリアの作曲家HK・グルーバーの新作ピアノ協奏曲が、アマニュエル・アックスの独奏で演奏されています。

1943年にウィーンで生まれた作曲家HK・グルーバーは、様式の異なるさまざまな世界を繋ぎ合わせることで知られています。ウィーン音大でコントラバス、ホルン、ピアノ、作曲を学んだグルーバーは、ウィーン放送交響楽団のコントラバスとして活躍したほか、指揮者としても多くの楽団と共演しました。当初はアヴァンギャルドの技術を用いて作曲していましたが、ある時同僚から受けた「自分が聴きたいと思う音楽を書いたら」というアドバイスに開眼し、作風を変えてゆきます。ウィーン風のブラックユーモアに刻印された1978年初演の《フランケンシュタイン!!》が、彼の出世作になりました。サー・サイモン・ラトル指揮ベルリン・フィルによる今回の演奏会では、グルーバーの新作ピアノ協奏曲が演奏されます。独奏を務めるエマニュエル・アックスは当団とは四半世紀に及ぶ共演歴でつながっていますが、近年はアダムズ、ラウズ、アデスの新作を初演するなど、同時代の音楽を紹介することに力を入れています。

後半はバルトークの1幕もののオペラ《青ひげ公の城》。男女の愛の不条理を描いたこの作品は、オペラ史上においても最も個性的で感動的な作品の一つと言えるでしょう。メーテルリンクの戯曲《アリアーヌと青ひげ》をもとにハンガリー人の前衛作家バラージュが書いた台本を用いて、バルトークは外的な展開を最小限に絞った内面的な劇作品を作ったのでした。夢の世界が色彩的な音楽で描かれる一方で、ドラマを牽引するシンフォニックなパッセージにも事欠きません。ソリストはイスラエルのメゾソプラノ、リナート・シャハム(ユーディット)、ハンガリーのバス、ガボール・ブレッツ(青ひげ)が務めています。

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
サー・サイモン・ラトル
エマニュエル・アックス
リナート・シャハム
ガボール・ブレッツ

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カテゴリー

アーティスト

サー・サイモン・ラトル 首席指揮者 (在任期間 2002-2018)
HK・グルーバー 作曲
エマニュエル・アックス ピアノ
ベラ・バルトーク 作曲

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