ラトルがターネジ、ドヴォルザーク、ブラームスを指揮

2016/17年シーズン最後の演奏会(ラトル指揮)は、セレナードがテーマ。18世紀にはセレナードは宮廷音楽の典型でしたが、ロマン派時代には、よりシンフォニックなジャンルへと発展しました。ドヴォルザークの管楽セレナードは、18世紀のハルモニ―・ムジークの伝統を継承しつつ、この作曲家独特の色彩美に溢れています。一方、ブラームスのセレナード第2番は、二管編成ながらヴァイオリンが欠けているのが特徴。演奏時間は40分ほどで、室内楽とも交響曲の前身とも取れる内容を示しています。ターネジの新作《リメンバリング》にもご注目ください。こちらもヴァイオリンがない編成の曲であり、コンサート全体はヴァイオリンなし(!)で行われています。

サー・サイモン・ラトルの2016/17年シーズン最後の演奏会は、セレナードがテーマです。18世紀にはセレナードは宮廷音楽の典型でしたが、ロマン派の時代には、よりシンフォニックなジャンルへと発展してゆきました。

若きブラームスは1857年から60年にかけて、セレナードを2曲作曲しました。セレナードというジャンルを敢えて選んだのは、ベートーヴェンという巨大な交響曲作家と比較されるリスクを避けるためだったのかもしれませんが、実際出来上がったのは交響曲的な規模と内容を備えたものと言えるでしょう。今回演奏される第2番は5楽章から成り、弦楽器はヴァイオリンを除くという珍しい編成で書かれています。終楽章でピッコロを用いているものの、ブラームスは彼の後の作品につながるようなロマンティックで暗みのある響きを作り出すことに成功しています。

ドヴォルザークが1878年に作曲した管楽セレナードは、低音の弦楽器と管楽という18世紀のセレナードの典型的な編成に現われているように、当時のハルモニ―・ムジークの伝統を継承しつつも、この作曲家独特の色彩美に溢れています。この曲の献呈者で、作曲家・音楽批評家のルイ・エーレルトは「この世ならぬ自然さにあふれている」と讃えました。

英国の作曲家ターネジの新作《リメンバリング》を含めて、ヴァイオリンが一度も登場しないという珍しいコンサートをどうぞお楽しみください。

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
サー・サイモン・ラトル

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アーティスト

サー・サイモン・ラトル 首席指揮者 (在任期間 2002-2018)
アントニン・ドヴォルザーク 作曲
マーク=アンソニー・ターネジ 作曲
ヨハネス・ブラームス 作曲

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