インタビュー
ノア・ベンティックス=バルグリー、モーツァルトのヴァイオリン協奏曲第5番とサン=サーンスの序奏とロンド・カプリッチョーゾについて語る
ラヴェルの1幕のオペラ《子供の魔法》は、コレットの台本をもとにした、ファンタジーとユーモアに満ちた作品です。周囲に対して反抗的で、自然や自分自身にも乱暴に振る舞う一人の子供が、思いやりのある少年に成長するまでの過程をメルヘンチックに描いています。ラヴェルによれば、この物語を「アメリカのオペレッタ風」に作曲したとのこと。バロック時代のビチニウムから、ベルカント風のアリア、さらにラグタイムまで、さまざまな音楽様式がレビュー風に並べられており、その繊細で変化に富んだオーケストラの扱いにより、ラヴェルの作品群の中でももっとも私的かつ感銘深い曲の一つに仕上がっています。
コンサート前半は、ベルリン・フィル第1コンサートマスターのノア・ベンディックス=バルグリーが指揮・ソロを務めるプログラムをお届けします。モーツァルトのヴァイオリン協奏曲第5番は、1773年から75年にかけて作曲された、モーツァルトによるこのジャンルの最後を飾る作品です。ヴァイオリンの輝かしい響きを生かしながらも、時々意表を衝く和声が使われ、中でも終楽章のトルコ風の旋律はよく知られています。続くサン=サーンスの序奏とロンド・カプリッチョーゾは、情趣に富んだヴィルトゥオーゾ風の曲で、名ヴァイオリニストのサラサーテに献呈されました。
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