私が愛する人生〜ピアニスト、メナヘム・プレスラー

メナヘム・プレスラーは、著名なボザール・トリオを50年以上務めたピアニストとして、室内音楽史上にその名を残しました。80歳を超える2008年にトリオが解散すると、今度は独奏者としてのキャリアが始まりました。それ以来、リサイタルやオーケストラとの演奏会に登場するたびに、世界中の聴衆が、洗練され心のこもった音色に耳を傾けます。このドキュメンタリーでは、そんな一人の音楽家の像をリアルに描き出します。

2014年1月、ピアニストのメナヘム・プレスラーは、実に90歳でベルリン・フィルにデビューを果たしました。驚くべきはその年齢だけでなく、彼の比類なき音楽性でした。柔らかいレガート、息をのむようなピアニッシモ、語るようなアーティキレーションなど、どれもが別の世界から来たような趣きを放っていたからです。そのとき客席にいたサイモン・ラトルは、躊躇せずにプレスラーをベルリン・フィルのジルベスターコンサートに招待し、同年末に両者の共演は実現したのでした。

プレスラーは1923年、ドイツ・マグデブルクのユダヤ人家庭に生まれました。ナチスの迫害を逃れて1939年両親とパレスチナに亡命し、やがて彼はアメリカに移住。1955年にはボザール・トリオを結成し、20世紀最高のピアノ三重奏団のピアニストとして、2008年に解散するまで活動を続けました。プレスラーのソロのキャリアはそこから始まったのです。

このドキュメンタリー作品は、過去ではなく、「いまここに」生きている一人の音楽家の姿を克明に伝えています。チャーミングな人柄を見せる一方、高いレベルの音楽を求めるためには自己や他の音楽家に対して妥協を許さない厳しい姿勢も覗かせます。ダニエル・ホープなど同僚とのインタビューやマイスターコースからの抜粋は、音楽と人生への深い愛情がメナヘム・プレスラーの生きる源になっていることを実感させてくれるでしょう。

監督: グレーテ・リッファース (2014)

メナヘム・プレスラー
ダニエル・ハーディング
ダニエル・ホープ
レオニダス・カヴァコス
庄司紗矢香
エベーヌ四重奏団
ラヴェル・ピアノ・トリオ
ヴェルビエ音楽祭ジュニア・オーケストラ

カテゴリー

アーティスト

メナヘム・プレスラー ピアノ
ダニエル・ハーディング 指揮
レオニダス・カヴァコス ヴァイオリン

© 2014 EuroArts Music International

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