ハイティンク指揮のオール・ベートーヴェン・プログラム。ソリストはファウスト!
ベルナルト・ハイティンク指揮によるヴァイオリン協奏曲と交響曲第6番《田園》のオール・ベートーヴェン・プログラムをお届けします。ソリストは今、最も注目を集めるヴァイオリニストのひとりであるイザベル・ファウストです。『ニューヨーク・タイムズ』紙は、「彼女の音からは、情熱、強い意志、感情の高まり、さらには、心を和ませる温もりと美しさまでも感じ取ることができる」と評しました。古楽の影響を受けたフレージングに、彼女の鋭い知性とセンスを感じます。なおカデンツァは、同曲の作曲家自身によるピアノ協奏曲版をヴァイオリン用に移し替えたもの(クリスティアン・テツラフ編)です。ハイティンクの《田園》も、心に染みる美しい演奏で、シーズンのハイライトのひとつ。こちらも必聴の内容となっています。
イザベル・ファウストは、当代最高のヴァイオリニストのひとりと呼べるでしょう。「彼女の音からは、情熱、強い意志、感情の高まりを感じることができ、さらには、心を和ませる温もりと美しさまでも感じ取ることができる。それは、音楽に隠されているリリシズムの調べを表出させるものである」と『ニューヨーク・タイムズ』紙は評しています。ファウストは、「あなたの(使用楽器である)ストラディヴァリウスの『スリーピング・ビューティ(眠れる美女)』(1704年製)がもっとも好む音楽は何ですか?」という質問に対して、こう答えています。「理想的な作品を選ぶならば、ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲でしょうね。この楽器は信じられないほど明朗な響きがします。ベートーヴェン作品の明るい音色は、私の内なる自然と感情にとてもよく合うのです」
今回のプログラムでは、名匠ベルナルド・ハイティンクとの共演により、ファウストがベートーヴェンの協奏曲を演奏しています。彼女のストラディヴァリウスの愛称「眠れる美女」は、18世紀にドイツの貴族が購入した後、150年もの間、屋根裏部屋に忘れられたまま保管されていたことに由来します。もう1曲は、やはりベートーヴェンの交響曲第6番《田園》。〈小川のほとりの情景〉と題された第2楽章の最後では、(楽譜に記されているところの)ナイチンゲール(フルート)、ウズラ(オーボエ)、カッコウ(クラリネット)が鳥の鳴き声を描写し、交響曲がわずかな間協奏曲の性格を帯びることとなります。
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