ヤンソンスとF・P・ツィンマーマンがショスタコーヴィチで共演
マリス・ヤンソンスが客演したこの演奏会では、バルトークの「弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽」、ラヴェルの《ダフニスとクロエ》第2組曲という近現代の2人の作曲家による代表作が取り上げられています。バルトークでの高い集中力、厳格な表現は、まさにヤンソンスならではの真摯な名演!フランク・ペーター・ツィンマーマンがソロを務めるショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第2番でも、この作曲家のスペシャリスト、ヤンソンスの眼光が光ります。
バルトークは「弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽」において、さまざまな音の色彩の関係性を密度の高いネットワークで結ぶことに成功しました。そこでは絶え間ない音の移行と唐突なコントラストが並列しています。楽器配置には空間のサウンド効果が意図されており、スコアによると、弦楽五部は指揮者の左右二手に分けて配置され、半円形の末端にコントラバス、そして舞台の真ん中に打楽器が置かれます。マリス・ヤンソンスが客演した今回の演奏会では、1937年に初演されたこのバルトークの代表作のほかに、ラヴェルのバレエ音楽《ダフニスとクロエ》から第2組曲が取り上げられます。ストラヴィンスキーはこの作品を「あらゆるフランス音楽の中で最美の一つ」と誉め称えました。
2つの作品の間に並ぶのが、フランク・ペーター・ツィンマーマンがソロを務めるショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第2番。これはダヴィッド・オイストラフの還暦を祝って書かれた深い感情表現を持つ作品ですが、ショスタコーヴィチは彼の生年を1年間違って覚えていたため、1967年10月26日にモスクワで行なわれた初演の際、オイストラフはまだ59歳だったというエピソードが残っています。近現代を代表する作曲家の傑作を、名匠ヤンソンスの指揮でお聴きください。
© 2015 Berlin Phil Media GmbH, Unitel
関連インタビュー