巨匠バレンボイムが登場、ヴィットマンとチャイコフスキーの作品を指揮
ダニエル・バレンボイムがチャイコフスキーの《悲愴》を指揮しました。彼はこの作品をたびたび取り上げており、すでにベルリン・シュターツカペレとの演奏(東日本大震災追悼コンサート)もデジタル・コンサートホールにアップされていますが、今回はベルリン・フィルとの共演。前半には、気鋭のドイツ人作曲家イェルク・ヴィットマンの《トイフェル・アモール》が演奏されています。
ダニエル・バレンボイムは、指揮者として、ピアニストとして、また次世代の音楽家を育てる教育者として、現代におけるもっとも重要な芸術家の一人に数えられるでしょう。弱冠10歳でソリストデビューを果たした後、イゴール・マルケヴィッチの指揮法のクラスに最年少の受講生として学びました。ベルリン・フィルには、1964年6月にバルトークのピアノ協奏曲第1番にてソリストとして、1969年6月にはハイドン、ベートーヴェン、シューマンの作品で指揮者としてデビューを果たしました。以来、当団とは半世紀以上に及ぶ芸術的パートナーシップで結ばれています。1991年から2006年まで音楽監督を務めたシカゴ交響楽団では終身名誉指揮者の立場にあり、ベルリン・シュターツカペレからは2000年に終身音楽監督に任命されました。
今回バレンボイムがベルリン・フィルを指揮しているのは、イェルク・ヴィットマンの《トイフェル・アモール》とチャイコフスキーの交響曲第6番《悲愴》。ヴィットマンの「トイフェル・アモール」は、シラーによる同名の詩に触発されて書かれた作品で、2012年にアントニオ・パッパーノ指揮ウィーン・フィルによって初演されました。メイン演目の《悲愴》は、バレンボイムがこれまで繰り返し指揮してきた愛奏曲。近年力を入れているウェスト=イースタン・ディヴァン・オーケストラ、ベルリン・シュターツカペレとも名演を残しており、ここでは濃厚なロマンティシズムにあふれた演奏が展開されています。
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