ガーディナーが14年ぶりにベルリン・フィルを指揮

ジョン・エリオット・ガーディナーが14年ぶりにベルリン・フィルに客演しました。取り上げた曲目は、ストラヴィンスキーの《ミューズの神を率いるアポロ》と《エディプス王》。どちらもギリシャ神話・悲劇に題材を得た作品ですが、作曲家の始原的ないし古典的なスタイルを代表するものです。エディプス王を歌うのは、イギリスのリリック・テノール、アンドリュー・ステイプルズです。

ジョン・エリオット・ガーディナーが14年ぶりにベルリン・フィルに客演しました。取り上げた曲目は、ストラヴィンスキーの《ミューズの神を率いるアポロ》と《エディプス王》。 メインの《エディプス王》では、ストラヴィンスキーはギリシャ悲劇の《エディプス王》を題材に選び、レチタティーヴォ、アリア、デュエットから構成されるオラトリオ形式を用いて作品を完成させました。クルト・ヴァイルが指摘したように、音楽ドラマとしての形を拒否し、台本や劇的緊張、見た目の動きを極力抑制したことにより、純粋に音楽的な造形を得ることに成功しています。ストラヴィンスキー自身は、「この作品の言葉の厳しい形式は、それ自体がすでに強い表現力を持っているので、さらに音楽を通して強める必要はない」と語りました。

前半に演奏されるバレエ音楽《ミューズの神を率いるアポロ》も、古代の神の誕生を繊細な音楽で描いています。クラシック・バレエの線的な美に感銘を受けたストラヴィンスキーは、余分な装飾を排した「白のバレエ」を目指しました。そのため、編成は弦楽合奏のみ、不協和音のどぎつい響きも使われていません。同じ新古典主義でも、ストラヴィンスキーが《プルチネッラ》で試みた色彩的なオーケストレーションとは対照的な作品といえるでしょう。合唱指揮者であり、古典派の演奏で高い評価を得ているガーディナーが、スタイリッシュな響きを聴かせています。

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
サー・ジョン・エリオット・ガーディナー
アンドリュー・ステイプルズ
ジェニファー・ジョンストン
ブルーノ・ガンツ

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アーティスト

サー・ジョン・エリオット・ガーディナー 指揮
イゴール・ストラヴィンスキー 作曲
アンドリュー・ステイプルズ テノール

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