ガッティがフランス近現代作品を指揮

ダニエーレ・ガッティが、フランスもののプログラムでベルリン・フィルに凱旋しました。ここでは、オネゲルの交響曲第3番《典礼風》、デュティユーの《メタボール》、ドビュッシーの《海》を取り上げています。ガッティと言えば、イタリア人ながら、ドイツものにもフランスものにも高い適性を示す指揮者。豊麗な響きと濃密な表現をお楽しみください。

今シーズンからアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団の首席指揮者を務めるダニエーレ・ガッティが、2年ぶりにベルリン・フィルに客演しました。今回のメインの演目はドビュッシーの交響詩《海》。1905年にパリで初演され、「管弦楽のための3つの交響的素描」の副題を持つこの作品は、ドビュッシーの最高傑作のみならず、音楽における印象派の頂点に位置づけられます。もっとも、ドビュッシー自身は、1874年にモネの絵画との関連で初めて使われた印象派という言葉が、自身の作品に用いられることには控えめな態度を取りました。自分の作品が絵画と安易に比較され、カテゴリー付けされることに対して抵抗を感じていたからでしょう。しかし、3つの楽章から成るこの交響詩は、印象派という言葉が音楽の分野にほどなく定着する上で、多大な貢献をしたのでした。

2013年に97歳で亡くなったアンリ・デュティユーもまた、ドビュッシーから大きな影響を受けたフランス人作曲家です。1964年に初演された《メタボール》は、輝かしいオーケストレーションによる一種の変奏作品ですが、作曲家自身が「例えばドビュッシーの弦楽四重奏曲のように、ある主題が最初からあるという循環的な形式をとっていません」と語るように、より自由なスタイルで生命体が変容する様を描いています。冒頭に演奏されたのは、スイスの作曲家オネゲルが1945年から46年にかけて作曲した交響曲第3番《典礼風》。詩篇のテキストと中世のレクイエムのパッセージから啓発を受けて生まれた作品で、第2次世界大戦の終結後、作曲家の内なる平和への願いが痛切に込められています。

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ダニエーレ・ガッティ

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アーティスト

ダニエーレ・ガッティ 指揮
アルテュール・オネゲル 作曲
アンリ・デュティユー 作曲
クロード・ドビュッシー 作曲

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