小澤征爾指揮による1986年サントリーホール開館直後のベルリン・フィル来日公演
1986年10月12日にオープンしたサントリーホール。開館直後に行われたベルリン・フィルの来日公演では、ヘルベルト・フォン・カラヤンの代役として、小澤征爾が指揮を務めました。彼がベルリン・フィルを日本で指揮したのは、この時が最初でした。プログラムは、シューベルトの交響曲第7番《未完成》とR・シュトラウスの《英雄の生涯》。後者のヴァイオリン・ソロは、当時の第1コンサートマスター、安永徹が担当しています。日本の聴衆にとっては、様々な意味で感慨深い演奏といえるでしょう。NHK収録によるこの貴重な映像をぜひお楽しみください。
日本を代表するサントリーホールは、1986年10月12日にオープンしました。デジタル・コンサートホールでは、開場直後に客演したベルリン・フィルの演奏会映像全曲をアップします。
広く知られている通り、ヴィンヤード型と呼ばれるホールの形態はベルリン・フィルハーモニーによく似ています。これはヘルベルト・フォン・カラヤンが、当時のサントリー社長佐治敬三氏にこの形をすすめたためで、佐治氏はその申し出をすぐに受け入れ、カラヤンを驚かせたと言われます。
1986年10月28~30日に行われたベルリン・フィルのこのホールにおける最初の客演演奏会の指揮には、当然カラヤンが予定されていましたが、公演の直前に病気でキャンセル。急遽小澤征爾が代役に立ち、3回の演奏会を見事に振っています。これは同時に、小澤が日本でベルリン・フィルを指揮した最初の機会であり、その意味でも記念碑的な意味を持つと言えるでしょう。
プログラムは、シューベルトの交響曲第7番《未完成》とR・シュトラウスの《英雄の生涯》。後者のヴァイオリン・ソロは、当時の第1コンサートマスター、安永徹が担当しています。NHKによって収録されたこの映像が、放送以外で公開されるのは今回が初めて。日本の聴衆にとっては様々な意味で感慨深い、この貴重な演奏をぜひお楽しみください。
© 1986 NHK
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