ネルソンス、早くもベルリン・フィルに再登場!
ラトヴィアの新星アンドリス・ネルソンスは、昨年ベルリン・フィルにデビューを果たしましたが、早くも今シーズンの冒頭で再登場しました。今回のプログラムは、様々な様式が混交するもの。しかし中心となるのは、今季のテーマのひとつである「世紀末音楽」と言えるでしょう。またこの演奏会では、現代作曲家のリームの作品も取り上げられています。
ラトヴィアの新星アンドリス・ネルソンスは、昨年ベルリン・フィルにデビューを果たしましたが、早くも今シーズンの冒頭で再登場しました。今回のプログラムは、様々な様式が混交するもの。しかし中心となるのは、今季のテーマのひとつである「世紀末音楽」と言えるでしょう。R・シュトラウス、プフィッツナー、カミンスキ(1886-1946)は、共に後期ロマン派のスタイルで作曲し、新ウィーン楽派的なスタイルとは袂を分かちました。またこの演奏会では、現代作曲家のリームの作品も取り上げられています。
R・シュトラウスは《ばらの騎士》でロココ時代を描き、モーツァルト的なスタイルを打ち出しましたが、その響きは実際には後期ロマン派的です。考証的に正しいメヌエットではなくワルツが使われていることからも分かる通り、ここで彼は、「18世紀の仮面をかぶった現代(20世紀初頭)」を表現しています。それは過去へのノスタルジーですが、古いヨーロッパは、初演(1911年)数年後の第一次世界大戦で破壊される運命でした。またプフィッツナーやカミンスキも、新ウィーン楽派が台頭するなかで、後期ロマン派のスタイルを守り続けた作曲家です。ドイツ現代作曲家の大御所リームは、こうした当時の作曲家の姿勢に、理解を示しています。彼の《マルズィアス》では、アポロとパン(マルズィアス)の闘争が、トランペット・ソロによって表現されます。
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