ネルソンスがフランスものとヴィットマンを指揮。ヴァイオリン協奏曲のソロはテツラフ
2010年の定期デビュー以来、すっかりベルリン・フィルの常連指揮者になった観のあるアンドリス・ネルソンス指揮の演奏会です。ブリテンのオペラ処女作《ピーター・グライムズ》より「パッサカリア」と、クリスティアン・テツラフがソリストを務めるイェルク・ヴィットマンのヴァイオリン協奏曲。後半は、フランス印象派を代表する2作品(交響詩《海》と《ラ・ヴァルス》)が演奏されました。
2010年の定期デビュー以来、すっかりベルリン・フィルの常連指揮者になった観のあるアンドリス・ネルソンス指揮の演奏会です。ブリテンのオペラ処女作《ピーター・グライムズ》は、現代音楽的なオーケストレーションと伝統的なハーモニー構造とが絶妙に結び付いた、20世紀オペラの傑作。今回演奏される第2幕第2場への間奏曲「パッサカリア」は、独立した作品としてもよく取り上げられます。
イェルク・ヴィットマンのヴァイオリン協奏曲は、2007年に初演された現代作品で、ヴァイオリン・ソロに大きな歌が委ねられています。ヴァイオリンは、冒頭と終結部分で無伴奏で演奏し、中間部ではオーケストラが暗みがかった色合いの伴奏を添えています。ヴィットマンはここで、技巧的な華やかさよりも、響きとテンポの微妙な明暗を意図したと言えるでしょう。ソリストを務めるクリスティアン・テツラフは、現代を代表するヴァイオリニストのひとりですが、世界初演の際にも演奏しています。
後半では、フランス印象派の2作品が演奏されます。オーケストラの色彩の限りを尽くした3楽章から成る交響詩《海》。また《ラ・ヴァルス》では、(第1次世界大戦後に崩壊したオーストリア=ハンガリー帝国の象徴である)ウィンナー・ワルツが、グロテスクに変容された形で描かれます。
© 2012 Berlin Phil Media GmbH
関連インタビュー