アーティスト・イン・レジデンス、テツラフのブラームス
2014/15年シーズン終盤の当演奏会では、このシーズンのアーティスト・イン・レジデンスを務めたクリスティアン・テツラフが登場しています。サー・サイモン・ラトル指揮ベルリン・フィルとの共演によるブラームスのヴァイオリン協奏曲は、オーケストラと四つに組んだ堂々たる名演です。後半は、ドビュッシーの《映像》、エネスクのルーマニア狂詩曲第1番という華やかな管弦楽作品が並んでいます。
2014/15年シーズン終盤の当演奏会では、このシーズンのアーティスト・イン・レジデンスを務めたクリスティアン・テツラフが登場しています。テツラフはソリストとして絶大な評価を得る一方で、教育活動にも力を注いでおり、1月にはベルリン・フィルのオーケストラ・アカデミー団員とその指導役を務めながら共演しました。とはいえ、サー・サイモン・ラトル指揮ベルリン・フィルと共演したブラームスのヴァイオリン協奏曲が、彼のアーティスト・イン・レジデンスとしてのハイライトであることは間違いないでしょう。オーケストラと四つに組んだ堂々たる名演が展開されています。
後半は、華やかな管弦楽作品が並んでいます。ドビュッシー作曲の管弦楽のための《映像》は、イギリス、スペイン、フランスの民族音楽の旋律からインスピレーションを受けて書かれた作品。それぞれ〈ジーグ〉〈イベリア〉〈春のロンド〉の表題が付いており、考えられる限りの色彩的なオーケストレーションで聴き手を魅了します。ルーマニアの作曲家、ジョルジュ・エネスクの作品の多くも民族音楽に影響を受けており、ルーマニア狂詩曲第1番はその中でも代表作。さまざまな舞曲やジプシー音楽風のメロディなど、変化に富んだ曲想になっており、最後は熱狂的なストレッタで締めくくられます。
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