ラトルが交響詩の傑作4作を一晩で演奏!
当演奏会では、サー・サイモン・ラトルがフランス、チェコ、オーストリア、イギリスの4人の作曲家による標題音楽を演奏しました。ドビュッシーの《牧神の午後への前奏曲》、ドヴォルザークの《黄金の紡ぎ車》、シェーンベルクの《浄夜》、エルガーの《エニグマ変奏曲》が音の絵画館のように並び、お国柄や音楽性の違いを堪能できるプログラムとなっています。
当演奏会では、サー・サイモン・ラトルがフランス、チェコ、オーストリア、イギリスの4人の作曲家による標題音楽を演奏しました。ほぼ同時期に書かれた作品が音の絵画館のように並び、お国柄や音楽性の違いを堪能できるプログラムとなっています。
ドビュッシーの《牧神の午後への前奏曲》(1894)は、フランス象徴主義の代表的詩人ステファヌ・マラルメの詩「牧神の午後」によるもの。「好色な牧神が昼寝のまどろみのなかで官能的な夢想に耽る」情景を描写したものです。ここでは、牧神を象徴する「パンの笛」をイメージしたフルートが活躍します。一方、ドヴォルザークの交響詩《黄金の紡ぎ車》(1896)は、チェコの国民詩人、カレル・ヤロミール・エルベンの民族詩を題材としています。継母に殺された若い娘が、金の紡ぎ車を操る魔法使いによって生き返り、めでたく王と結婚するという、幻想的なテーマを扱った作品です。
シェーンベルクの《浄夜》(1899)は、月夜に照らされた男女の交情を描いた一種の音画と呼べるでしょう。12音技法を駆使した後期の作品にはない、美しい響きを特徴としています。またエルガーの《エニグマ変奏曲》(1898)では、主題提示の後、作曲者自身の友人たちを描く変奏曲が続きます。エルガーは「他にも謎の主題が使われている」と発言。そのため、ギリシャ語で「謎かけ」を意味する「エニグマ」の通称が用いられています。
ラトルはこれらの作品をすでにベルリン・フィル、バーミンガム市響とCD録音しており、彼のお得意のレパートリーと言えるものです。
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