ドゥダメルの《ツァラトゥストラ》!コルンゴルトのソリストはカヴァコス
グスターボ・ドゥダメルは、今や若手のみならず、現代で最も重要な指揮者のひとりに数えられるでしょう。音楽に没入し、オーケストラと聴衆を触発する才に長けたドゥダメルが、ベルリン・フィルと交響詩《ツァラトゥストラはこう語った》をメインとしたプログラムに挑みました。 コルンゴルトのヴァイオリン協奏曲でソロを務めるのは、ギリシャの名手レオニダス・カヴァコス。優美さとポエジーをたたえたラヴェルの《マ・メール・ロワ》も魅力的な演奏です。
グスターボ・ドゥダメルは、指揮者の役割について「私はオーケストラの一部に過ぎません。お互いが歩み寄ることによって初めて、マジックは生まれるのです」と控え目に語っています。しかし彼が、現代で最も重要な指揮者のひとりであることは、疑いがありません。音楽に没入し、オーケストラと聴衆を触発する才に長けたドゥダメルが、ベルリン・フィルと交響詩《ツァラトゥストラはこう語った》をメインとしたプログラムに挑みました。
ラヴェルの《マ・メール・ロワ》は、優美さ、ポエジー、そしてユーモアをたたえた一連のメルヘンと言えます。一方コルンゴルトのヴァイオリン協奏曲は、時にノーブルで、時に超絶技巧的なソロ・パートを伴う純音楽的な形式を取っています。しかしその本質には、描写音楽が流れていると考えられるでしょう。すなわちここでは、1938年のアメリカ亡命後に書かれた映画音楽が、数多く引用されています。そのスタイルは、今日まで映画音楽の作曲家に影響を与え続けています。ソリストを務めるレオニダス・カヴァコスは、前回ベルリン・フィルに客演した際、「最も美しい音を奏でる奇跡のヴァイオリニスト」と絶賛されました。
R・シュトラウスの《ツァラトゥストラはこう語った》は、ニーチェの哲学書を元にした交響詩です。しかし作曲家は、ここでその思想を具象化・音楽化したのではなく、むしろニーチェの自由で人生肯定的な精神を描いたのだと言えるでしょう。
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