ネルソンスがワーグナー、モーツァルトを指揮。メインはショスタコーヴィチの交響曲第6番!
2008年から2015年までバーミンガム市響の音楽監督を務めたアンドリス・ネルソンスの指揮による演奏会では、ワーグナーの《タンホイザー》序曲、モーツァルトの交響曲第33番、ショスタコーヴィチの交響曲第6番が取り上げられました。中でもメインのショスタコーヴィチは、ネルソンスとバーミンガム市響が2009年にフィルハーモニーに客演した際にも取り上げ、大成功を収めています。
リヒャルト・ワーグナーは、「序曲について」という作曲評論の中で、こう語っています。「台本の重要でない部分までありありと描くという恥ずかしい行為に陥るべきではない。舞台で起こる出来事を序曲ですでに事細かに漏らしていては、作曲家はドラマ上のテーマを作り出すことができないからだ」。その考えに従い、ワーグナーは《タンホイザー》序曲で、トロンボーンが奏でるヴァルトブルクの巡礼の合唱、半音階で揺らめくヴェーヌスベルクの音楽、そして壮大な幕切れに絞って、台本のキーポイントを暗示しようとしたのでした。
1779年にモーツァルトが作曲した交響曲第33番は、音楽学者のルートヴィヒ・フィンシャーが語るところによると、「極めて繊細な室内交響曲」。当初は3楽章構成でしたが、後にウィーンで上演された際にメヌエットが追加されました。1785年に、ハフナー交響曲と一緒にウィーンのアルタリア社より出版されて以来、今日に至るまで聴き手に広く愛されている作品です。
最後に演奏されるのは、ショスタコーヴィチの交響曲第6番。レオポルド・ストコフスキーが「絶え間なく、創造的なイマジネーションと音楽的な自信を高めている巨匠」と作曲家に対して評した姿を、ここでは聴くことができるでしょう。アンドリス・ネルソンスは手兵バーミンガム市響と2009年にフィルハーモニーに客演した際にも当作品を取り上げ、大成功を収めています。
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