ギルバートがドヴォルザークのチェロ協奏曲とリンドベルイの《クラフト》を指揮
ニューヨーク・フィルの音楽監督を務めるアラン・ギルバートを客演指揮者に迎えます。ドイツの若手チェリスト、ダニエル・ミュラー=ショットを独奏にしたドヴォルザークのチェロ協奏曲。後半は1980年代中期、マグヌス・リンドベルイがベルリンのパンク・シーンからインスピレーションを受けて作曲したスペクタクルな異色作《クラフト》。この曲の解釈に熟練したギルバートの指揮でお聴きください。
ニューヨーク・フィルの音楽監督を務めるアラン・ギルバートを客演指揮者に迎えます。ギルバートがベルリン・フィルの定期演奏会に登場するのは今シーズンこれが2度目。前半はドイツ出身の若手チェリスト、ダニエル・ミュラー=ショットを独奏に、ドヴォルザークのチェロ協奏曲を演奏します(当初予定されていたトルルス・モルクは急病のためキャンセルとなりました)。交響曲的な堅固な構成を持ち、技術的な難易度の高さでも知られるこの作品は、独奏チェロのために書かれた金字塔であるだけでなく、この楽器のあらゆるヴィルトゥオーゾにとっての試金石とも言えるでしょう。ミュラー=ショットはこの時がベルリン・フィルへのデビューとなりました。
後半のプログラムは、1980年代中期、マグヌス・リンドベルイがベルリンのパンク・シーンからインスピレーションを受けて作曲した《クラフト》。リンドベルイはベルリンのパンクに強い興味を抱き、その激しいエネルギーと実験的な音響に魅了されていました。作曲家は語ります。「私はこの音楽にショックを受け、同時にいくらか嫉妬心を抱いたのです。そして、自分にこう問いかけました。『古典的なオーケストラの資産を使って、いくらか似た作品をなし得ないだろうか』と」。
この曲に熟練したアラン・ギルバートによると、《クラフト》は「上演することが一つの出来事となるような並外れた作品」。巨大編成のオーケストラがホール中に散らばって演奏するコンセプトは、客席が舞台を取り囲むフィルハーモニーの構造によく適ったものと言えるでしょう(作曲家自身もピアニストとして演奏に加わります)。このスペクタクルな作品をどうぞお聴きください。
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