ラトルのシューマン&ブラームス・ツィクルス第2弾

シューマン&ブラームス・ツィクルスの第2弾は、2人の作曲家による交響曲第2番です。ベートーヴェンの〈第9〉を手本にしたというシューマンの交響曲と、ベートーヴェンの《田園》との関連性をよく指摘されるブラームスの交響曲。意外にも、ブラームスはこの牧歌的な作品に対して、「この新しい交響曲は、あなたが耐えられないほどメランコリックだ」とも語っていました。サー・サイモン・ラトル指揮ベルリン・フィルの演奏でお楽しみください。

「この作曲家は創造の新たな高みに到達した」と、アルフレート・デルフェルは『新音楽時報』の中でシューマンの交響曲第2番についてこう述べました。エルンスト・ゴットシャルトは、シューマンをベートーヴェンの後継者とさえ認めたほどです。実際、1845年から46年にかけて書かれたシューマンの交響曲第2番は、ベートーヴェンの〈第9〉を手本にしており、音楽が輝かしいフィナーレに向かって構築されている様によく現われています。

今回並べて演奏されるのは、ブラームスの交響曲第2番。1877年、オーストリアのヴェルター湖畔で書かれたこの作品の牧歌的な響きに、同時代の人々は、ベートーヴェンの《田園》の伝統を見い出しました。もっとも、ブラームス自身はこの作品の悲劇的な側面についても指し示しており、1877年12月22日、彼は楽譜出版社のフリッツ・ジムロックにこう書いています。「この新しい交響曲は、あなたが耐えられないほどメランコリックだ」と。交響曲第1番にも見られるように、ブラームスは絶え間なく続く楽天主義を認めない、19世紀同時代人の典型的な世界観を持っていました。交響曲第2番の牧歌的な響きもまた、失われた平和と調和の状態への、理想郷の哀願として響くのだと言えるでしょう。シューマン&ブラームス・ツィクルスの第2弾を、サー・サイモン・ラトル指揮ベルリン・フィルの演奏でお楽しみください。

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
サー・サイモン・ラトル

© 2014 Berlin Phil Media GmbH

関連インタビュー

アーティスト

サー・サイモン・ラトル 首席指揮者 (在任期間 2002-2018)
ローベルト・シューマン 作曲
ヨハネス・ブラームス 作曲

おすすめ映像

ヘルプ お問い合わせ
ご利用方法 ニュースレター 教育機関用アクセス ご利用料金 クーポン券
会社情報 ご利用規約 プライバシーポリシー