ラトルとブロンフマンがヴィットマンの新作ピアノ協奏曲を初演
サー・サイモン・ラトル指揮ベルリン・フィルによるこの公演では、後期ロマン派から現代に至るまでの3人の作曲家が取り上げられました。ブロンフマンをソリストに迎えて初演されるヴィットマンによる新作のピアノ協奏曲に加え、ラトルが得意とするシベリウスの《トゥオネラの白鳥》、交響曲第5番、さらにワーグナーの《トリスタンとイゾルデ》第1幕への前奏曲という色彩的なプログラムをお楽しみください。
サー・サイモン・ラトル指揮ベルリン・フィルによるこの公演では、後期ロマン派から現代に至るまでの3人の作曲家が取り上げられました。前半はイェルク・ヴィットマンによる新作のピアノ協奏曲。ヴィットマンは伝統的な音楽形式と向かい合って作品を生み出してきましたが、ピアノ協奏曲はこれが初めてです。ピアノ独奏を務めるイェフィム・ブロンフマンは、『ロサンジェルス・タイムズ』紙に「私の心をとらえるのは、新しいレパートリーです。新作の委託を受け、作品を作り上げていく以上の喜びはありません」と語っており、今回の初演への期待が高まります。続いて演奏されるのは、シベリウスの《トゥオネラの白鳥》。シベリウスの管弦楽曲のなかでも特に有名な作品ですが、ベルリン・フィルでは久々の上演となります。
コンサートの最初と最後には、ワーグナーの《トリスタンとイゾルデ》第1幕の前奏曲と、シベリウスの交響曲第5番が演奏されます。1915年に作曲された交響曲第5番は、シベリウスの同時期の印象主義的な交響詩と密接に結びついており、オーケストラの輝かしい響きを特徴としています。初演は大成功を収めましたが、シベリウスは改訂に着手し、フィナーレについてこう書き記しました。「曲全体が終結に向かって生き生きと高まっていく。意気揚々と!」。この作品はたちまちシベリウスの中でもっとも人気の高い交響曲の一つとなりました。この2014/15年シーズン、シベリウスの交響曲ツィクルスに挑んだラトルの指揮でお聴きください。
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