カラヤン指揮:ベートーヴェン「ミサ・ソレムニス」

ベートーヴェンの「ミサ・ソレムニス」は、1937年にアーヘンで初めて指揮してから最晩年に至るまで、カラヤンにとって重要な合唱作品のレパートリーでした。ここで聴くことができるのは、カラヤンが長年共同作業を共にしたウィーン楽友協会合唱団との共演による、1979年のザルツブルク・イースター音楽祭のライブ録音です。カラヤンはとりわけクレドに力を込めて指揮していますが、これは彼の信仰心の深さを示すものといえるでしょう。

1935年、ヘルベルト・フォン・カラヤンが弱冠27歳でアーヘン市立歌劇場の音楽監督に就任すると、彼は合唱付きの大作を手がけます。この時代に指揮し始めたバッハのロ短調ミサと《マタイ受難曲》、ハイドンの《天地創造》、ベートーヴェンのミサ・ソレムニス、ブラームスのドイツ・レクイエム、ヴェルディのレクイエムは、カラヤンにとって終生大切なレパートリーであり続けました。1937年11月、カラヤンがアーヘンで初めてベートーヴェンのミサ・ソレムニスを指揮したのは、彼にとって初となるワーグナーの《指環》ツィクルスの3日前のこと。この公演は大成功を収め、後にブリュッセルとベルリンでも再演しています。1949年1月には、ウィーン楽友協会合唱団との共演で戦後初めてミサ・ソレムニスを振り、その1年後、楽友協会の音楽監督に就任。以降40年間、カラヤンはもっぱらこの合唱団と共演しました。1967年、第1回のザルツブルク・イースター音楽祭で、カラヤン指揮ベルリン・フィルは、ウィーン楽友協会合唱団と共にミサ・ソレムニスを上演しました。ここで聴くことができるのは、1979年の再演の際に収録された映像です。

バッハのロ短調ミサ同様、ミサ・ソレムニスにおいても、カラヤンはキリストの受肉、受難、復活のメッセージを伴うクレドで一際緊張感の高い瞬間を作り出しています。コンサートでの彼の指揮ぶりが時々聴衆にまったく異なる印象を与えたとしても、ここではカラヤンの深い信仰心に裏打ちされた音楽を聴くことができるでしょう。

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ヘルベルト・フォン・カラヤン

© 1979 Unitel

アーティスト

ヘルベルト・フォン・カラヤン 首席指揮者 (在任期間 1956-1989)
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン 作曲
ジョゼ・ファン・ダム バリトン

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