インタビュー
マレク・ヤノフスキ(聞き手:クリスティアン・シュターデルマン)
今回国際的に活躍する歌手陣を招いて上演されるヴェルディのレクイエムは、古今東西のレクイエムの中でも一際抜きん出たスケールを持つ作品です。そもそもの出発点はロッシーニを記念するレクイエムを他の作曲家と共同で書くというプロジェクトでしたが、これは頓挫。1873年5月22日にイタリアの文豪アレッサンドロ・マンゾーニが死去した際、ヴェルディはそれまでに作曲した楽章も用いて、敬愛するこの作家に捧げるレクイエムを書こうと決意したのでした。「怒りの日」での恐ろしいまでの迫力はオペラ作曲家のヴェルディの面目躍如たるところですし、「涙の日」が《ドン・カルロ》のために構想した二重奏が元になっているように、神の超越性よりも舞台作品のドラマ性を強く意識して書かれたことが窺われます。ベルリン・フィルでヴェルディのレクイエムを指揮することは数少ない指揮者だけに与えられる栄誉であり、ヤノフスキの演奏も一聴の価値があるものです。
© 2017 Berlin Phil Media GmbH
関連インタビュー