クリスティアン・ヤルヴィがメシアンとチャイコフスキーの演目でベルリン・フィルにデビュー
当コンサートは、チョン・ミョンフンの指揮で予定されていましたが、家庭の事情からキャンセルとなり、若手指揮者クリスティアン・ヤルヴィが登場しました。プログラムは、ワーグナーからニールセンの狂詩曲風序曲《フェロー諸島への幻視旅行》に変更されましたが、メシアンの《キリストの昇天》とチャイコフスキーの第4交響曲は当初の予定通りです。
当コンサートは、チョン・ミョンフンの指揮で予定されていましたが、家庭の事情からキャンセルとなり、代わりに若手指揮者クリスティアン・ヤルヴィが登場しました。クリスティアン・ヤルヴィはエストニアの指揮者一家の出身。父ネーメ、兄のパーヴォと共に、その活躍が注目されています。2011/12年シーズン、フィルハーモニーでユンゲ・ドイッチェ・フィルハーモニーを指揮していますが、ベルリン・フィルへは今回がデビュー公演となりました。
プログラムは、ワーグナーからニールセンの狂詩曲風序曲《フェロー諸島への幻視旅行》に変更された他は予定通りです。オリヴィエ・メシアンの《キリストの昇天》は、1932年から33年にかけて書かれたメシアンの初期のオーケストラ作品で、印象派の影響のもとにあります。メシアンは、宗教的な主題によるこの作品を後にオルガン用にも編曲していますが、ここではフランス人作曲家に特有の、感覚的な音響が耳を奪います。
メシアンが神との精神的な結び付きを音楽創造の源としたならば、ピョートル・イリイチ・チャイコフスキーは、内面の不安を作曲の原動力としました。運命の冷酷さを示す猛々しいファンファーレで始まる第4交響曲は、それを典型的に表現しているでしょう。幸福を求める人間の徒労にも似た努力こそが、チャイコフスキーにとってのテーマだったのです。
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