ヨナス・カウフマン
テノール2006年に《椿姫》のアルフレード役で、ニューヨークのメトロポリタン・オペラへデビューして以来、ヨナス・カウフマンは、イタリア語、フランス語、ドイツ語、コンサートのステージ、歌曲の演奏を問わず、世界で最も人気のあるテノールの一人となっている。
カウフマンはミュンヘン音楽大学で声楽を学び、ハンス・ホッター、ジェームズ・キング、ヨゼフ・メッテルニヒのマスタークラスに参加した。ザールブリュッケンのザールラント州立劇場で初舞台を踏んだ後、トリーアのミヒャエル・ローデスのもとでトレーニングを続けた。シュトゥットガルトやフランクフルト、ハンブルク、ミラノでの活動を経て、2001年にチューリッヒ歌劇場へ。ここから国際的なキャリアをスタートさせ、ザルツブルク音楽祭、シカゴ・リリック・オペラ、パリ・オペラ座、ロンドン・ロイヤル・オペラ・ハウス、ミラノ・スカラ座、ベルリン国立歌劇場、ウィーン国立歌劇場に出演を果たしている。 2003年12月初旬、ベルリオーズの《ファウストの劫罰》でベルリン・フィルにデビューして以来、コンサートへ繰り返し出演。サイモン・ラトルの指揮のもと、2012年のザルツブルク音楽祭に出演し、ビゼー《カルメン》で演じたドン・ホセ役は、彼の代表作のひとつに数えられている。また、2009年のミュンヘン・オペラ・フェスティバルで演じたワーグナー《ローエングリン》のタイトルロールの解釈により、カウフマンは『Opernwelt』誌の「シンガー・オブ・ザ・イヤー」に選出された。その1年後には、この役でバイロイト音楽祭へのデビューも果たした。カウフマンの活動の重要な部分を占めているのが、ピアノ伴奏を長年務めているヘルムート・ドイチュとのリートリサイタルであり、ヨーロッパ各地や日本にも、定期的に出かけている。