ザルツブルク・イースター音楽祭の《カルメン》が、ベルリンで演奏会形式上演!
ザルツブルク・イースター音楽祭のオペラは、サー・サイモン・ラトル指揮のビゼー《カルメン》でした。音楽祭終了後、ベルリンで全曲が演奏会形式上演されます。主役を務めたのは、マグダレーナ・コジェナー。彼女が舞台でこの役を歌うのは、ザルツブルクが初めてでした。相手役は、今や欧州、アメリカで大スターのヨナス・カウフマンです。フランスものを得意とするラトルの指揮も、聴き逃せません。
ザルツブルク・イースター音楽祭で上演されたサー・サイモン・ラトルとベルリン・フィルによるビゼーの《カルメン》は、2012年のオペラ界でもとりわけ大きな話題を集めました。その《カルメン》が演奏会形式上演としてベルリンにやってきます。特に注目されたのが、 カルメン役のマグダレーナ・コジェナーとドン・ホセ役のヨナス・カウフマン。コジェナーが舞台でカルメンを歌うのは今回のザルツブルクが初めてでした。片やカウフマンは、今欧米で圧倒的な人気を誇るトップスター。ラトルにとっても、《カルメン》はこの時がデビューとなりました。
カルメンは、オペラ史においてもっとも魅惑的な人物造形の一人です。時にエロチックで、時にクール。闇商売に携わりながら、抵抗しがたい魅力的なオーラで人々を虜にする…。このような斬新な役柄は、ビゼーの時代、聴衆にほとんど受け入れられませんでした。しかし、今日では人気オペラとして、不動の地位にあります。
役柄と同様、真実味にあふれているのがその音楽です。心奪われるメロディーと色彩感に満ちながら、聴衆におもねようとして書かれた形跡がありません。その特徴を、フリードリヒ・ニーチェはこう形容しました。「この音楽は私には完璧無比のように思われる。邪悪で、洗練され、破滅をもたらすが、それでいて平易さが保たれている。舞台上で、これほど心痛む悲劇的なアクセントを聴いたことがあるだろうか?」
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