ハイティンクのブルックナー「交響曲第5番」
ベルナルド・ハイティンクは、ベルリン・フィルで何十年にもわたりブルックナーを指揮してきました。このコンサートでは「交響曲第5番」を取り上げていますが、本作はブルックナーの生涯のなかでも、困難の時期を象徴するものです。対位法の技法と宗教的コラールが独特の合一を成す特異な傑作を彼がどのように解釈しているか、ぜひお聴きください。
ベルナルド・ハイティンクは、ベルリン・フィルで何十年にもわたりブルックナーを指揮してきました。このコンサートでは「交響曲第5番」を取り上げましたが、本作はブルックナーの生涯のなかでも、困難の時期を象徴するものです。当時彼は、作曲家として認められなかっただけでなく、ウィーン大学教授のポストも得ることができませんでした。また様々な結婚の計画も失敗に終わっています。作品は精緻な対位法と神聖なコラールのメロディーに溢れていますが、複雑な対位法には、実力を証明しようと躍起になる作曲家の姿が見えるようです。コラールは、ブルックナーの深い信仰を示すものですが、彼は人生の困難を、天上の響きによって克服しようとしたのかもしれません。
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ベルナルド・ハイティンク
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