インタビュー
サー・サイモン・ラトル、マーラーの交響曲を語る(第2部) ラトルがマーラーの交響曲第5番を指揮
サー・サイモン・ラトルのマーラー・ツィクルスも、中間地点に当たる「交響曲第5番」に達しました。この曲、とりわけ第4楽章アダージェットは、ヴィスコンティの映画『ベニスに死す』で有名になりましたが、そこでは音楽は、人生への惜別のモチーフとして使われています。これに対しマーラー本人は、この楽章を妻アルマへの愛の表現として作曲しています。演奏会の前半では、パーセルの「メアリー女王のための葬送音楽」が演奏されています。
サー・サイモン・ラトルのマーラー・ツィクルスも、中間地点に当たる「交響曲第5番」に達しました。この曲、とりわけ第4楽章アダージェットは、ルキノ・ヴィスコンティの映画『ベニスに死す』(1971年)で有名になりましたが、そこでは音楽は、人生への惜別のモチーフとして使われています。これに対しマーラー本人は、この楽章を妻アルマへの愛の表現として作曲しました。その一方で彼は、第1楽章を葬送行進曲として表現し、第2楽章では劇的かつ絶望的な音調を提示しています。また終楽章では、晴れやかで輝かしい雰囲気が支配していますが、マーラーはこの楽章を1902年の夏、アルマとの新婚旅行の途上で書いたのでした。
演奏会の前半では、パーセルの「メアリー女王のための葬送音楽」が演奏されます。ラトルはプログラム構成に細心の注意を払う指揮者ですが、マーラーとパーセルという一見まったく異なった作曲家が、極めて類似した哀悼の表現を実現していることに驚かされます。
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
サー・サイモン・ラトル
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