ノセダがベルリン・フィル・デビュー、チャイコフスキーの交響曲第4番を指揮
イタリア人指揮者ジャナンドレア・ノセダが、ベルリン・フィルにデビューを果たしました。チャイコフスキーの交響曲第4番、シュトラウスの「4つの最後の歌」のほか、2003年に亡くなったイタリア人作曲家ゴッフレード・ペトラッシの作品を取り上げたことが注目されます。結果は、観客の受けも上々で、なかなかの出来。なおベルリン・フィルは、当コンサートを、前年に逝去したクラウディオ・アバドへの思い出に捧げています。
1877年に書かれたチャイコフスキーの交響曲第4番は、作曲家の個人的な事情が色濃く反映されています。この年の初頭、チャイコフスキーは資産家の未亡人メック夫人と手紙のやり取りを交わし、その中で夫人は作曲家に創作のための財政的な援助を約束しました。直後、チャイコフスキーは彼を崇拝していた女性と結婚をしますが、わずか数週間で破局を迎え、深刻な鬱状態に陥ったのでした。第1楽章冒頭の切羽詰まったようなファンファーレを作曲家が「運命の」主題と呼んだため、この交響曲は後にチャイコフスキーの「運命交響曲」として解釈されるようになりました。
指揮をするのは、ジャナンドレア・ノセダ。1964年にミラノで生まれの彼は、今回がベルリン・フィル・デビューとなりました。ノセダは長年マリインスキー劇場の首席客演指揮者を務め、現在はトリノ王立歌劇場の音楽監督の任にあります。さらに、BBCフィルハーモニックの名誉指揮者、イスラエル・フィルの首席客演指揮者の立場にあるなど、オペラとコンサートの両方の分野で国際的に活躍中です。今回の演奏会では、シュトラウスの「4つの最後の歌」のほか、2003年に亡くなった同国人の作曲家ゴッフレード・ペトラッシの作品を取り上げることが注目されます。ノセダが録音したペトラッシの合唱作品集は、2014年1月にBBCミュージック・マガジン賞にノミネートされました。なお、ベルリン・フィルは当コンサートを、前年に逝去したクラウディオ・アバドへの思い出に捧げています。
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