カラヤン指揮:チャイコフスキー「交響曲第4~6番」
カラヤンは、チャイコフスキーの名手として知られ、その交響曲、とりわけ第4~6番を何度も録音しました。この1973年の映像は、その最も充実した演奏に数えられるもので、レコード録音も同時に行われています。ベルリン・フィルの充実しきった響きは、このコンビの最盛期を象徴するものです。カラヤンは、録音はほとんどワンテイクで行ったと言われていますが、この演奏でも、本当にひと息で収録したかのような緊迫感が漂っています。必見です。
ベルリン・フィルのチャイコフスキー演奏は、オーケストラの創成期にさかのぼります。作曲家は最初のふたりの首席指揮者、ハンス・フォン・ビューローとアルトゥール・ニキシュを知っており、その演奏を評価していました。続くヴィルヘルム・フルトヴェングラー、ヘルベルト・フォン・カラヤンも、優れた演奏を残しています。
カラヤンは、1929年1月に20歳でプロの指揮者としてデビューした時に、交響曲第5番を指揮しています。初めての《悲愴》は、その4年後に、ウルムで振りました。その演奏会の後、彼は両親に「終演後、聴衆は10秒間打ちのめされたようにただ座っていました。そして直後にサッカー場のようなブラボーが起こったのです」ベルリン・フィルとの最初のチャイコフスキーは、1939年の《悲愴》の録音で、これは彼がベルリン・フィルにデビューした1年後のことでした。彼は当時すでに、交響曲第4番もレパートリーに加えていました。
本編は、1973年にカラヤン自身がお抱えのカメラマン、エルンスト・ヴィルトと共に製作したものです。彼は約10年にわたり有名実験映画監督とコンサート映像を撮り続けましたが、これはその一時代の終わりをマークするものと言えます。
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ヘルベルト・フォン・カラヤン
© 1973 Unitel