ティーレマンの《ロマンティック》。A・マイヤーのシュトラウス「オーボエ協奏曲」
当演奏会では、R・シュトラウス、ブルックナーという、ティーレマンが十八番とするふたりの作曲家の作品が取り上げられています。ベルリン・フィルは今シーズン、メンバーを協奏曲のソリストに起用していますが、ここでは首席オーボエ奏者のアルブレヒト・マイヤーが、R・シュトラウス「オーボエ協奏曲」のソロを担当しています。
3月は、クリスティアン・ティーレマンが、2週連続でベルリン・フィルに登場しました。当演奏会では、R・シュトラウス、ブルックナーという、ティーレマンが十八番とするふたりの作曲家の作品が取り上げられています。ベルリン・フィルは今シーズン、メンバーを協奏曲のソリストに起用していますが、今回は首席オーボエ奏者のアルブレヒト・マイヤーがソロを担当しています。
マイヤーは、1965年ドイツ生まれ。モーリス・ブルグ、インゴ・ゴリツキ等、世界的なオーボエ奏者に師事。1992年よりベルリン・フィルの首席オーボエ奏者を務めています。このほか、ザビーネ・マイヤー管楽アンサンブル、ベルリン・バロック・ゾリステンの一員としても活躍しています。
R・シュトラウスの「オーボエ協奏曲」は、第2次世界大戦が終結した1945年、移住先のスイスで作曲されました。アメリカ軍に従軍していたオーボエ奏者、ジョン・デ・ランシーの慰問がきっかけとなって生まれた作品です。枯淡の境地とも言えるオーボエのメロディーは、敗戦で廃墟となったドイツへの追憶と、晩年の澄み切った心境を映し出しているでしょう。
ブルックナーの「交響曲第4番《ロマンティック》」は、1874年に作曲。早朝の暗い森を連想させる有名な第1楽章は、「中世の騎士が馬に跨り、城から颯爽と森に向かって駆け出していく」情景を描写しています。ブルックナーは、完成した交響曲の改訂作業を頻繁に行ないました。ここでは、第3楽章を全面的に書きかえ、第4楽章を大幅に改訂した1878/80年の第2稿が演奏されます。
© 2012 Berlin Phil Media GmbH, Unitel
関連インタビュー