ルイ・ラングレがオール・モーツァルト・プログラムでベルリン・フィルにデビュー!
モーストリー・モーツァルト・フェスティバルの音楽監督、ザルツブルク・カメラータの首席指揮者を務めるルイ・ラングレが、オール・モーツァルトのプログラムで、ベルリン・フィルにデビューを果たしました。この作曲家のもっともポピュラーな作品のひとつである交響曲第40番と、逆に上演される機会が稀な詩篇カンタータ《悔悟するダヴィデ》。後者は未完のハ短調ミサ曲の素材を転用してまとめ上げられた、知られざる逸品です。
モーツァルトの交響曲第40番は、この作曲家のもっともポピュラーな作品のひとつです。しかし、このト短調交響曲ほどさまざまな解釈を呼び起こした作品もないでしょう。例えば、モーツァルトの伝記作者ヘルマン・アーベルトが、この音楽の中に「深く、宿命論的なペシミズムのもっとも強烈な表現」を見出す一方で、ローベルト・シューマンは「ギリシャ風にたゆたうごとき優美さ」を強調しました。モーストリー・モーツァルト・フェスティバルの音楽監督、ザルツブルク・カメラータの首席指揮者を務めるルイ・ラングレが、このベルリン・フィルのデビュー公演で、どのような解釈を示すのか注目されました。
メインプログラムの《悔悟するダヴィデ》は、モーツァルト作品の中でも上演される機会は稀です。1785年、ウィーンの音楽芸術家協会が委嘱したこの大規模な詩篇カンタータは、ある詩人が自由な形式で書いた贖罪と悔悟の祈祷文に基づいて生まれました。当時多忙だったモーツァルトは、未完のハ短調ミサ曲(1782/83年)の素材を転用して作品をまとめ上げ、初演では60人以上の合唱団と交響曲の規模のオーケストラを自ら指揮したのです。音楽芸術家協会は、未亡人や孤児を支援するべく、ブルク劇場で定期的に慈善演奏会を催しており、モーツァルトも協会の会員になろうと努めていました。もっとも彼は、受洗証明書を期日までに提出しなかったために、協会の受け入れを拒否されてしまうのです。これほど美しい作品を提供したにも関わらず……。
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