アーノンクールとベルリン・フィルの「ラスト・コンサート」
10月後半のハイライトは、アーノンクールのベルリン・フィル再登場です。約3年ぶりの出演となったこの演奏会では、ベートーヴェンの《運命》が演奏されます(結果的に、2016年3月に死去したアーノンクールとベルリン・フィルの最後の共演となりました)。アーノンクールは、こうした有名作品においてこそ力を発揮する指揮者であり、常識的な解釈とはひと味違った個性が際立ちます。その斬新な解釈は、常に話題を呼んできましたが、この演奏会では、巨匠指揮者としての円熟味も味わうことができます。
10月後半のハイライトは、アーノンクールのベルリン・フィル再登場です。約3年ぶりの出演となったこの演奏会では、ベートーヴェンの大作が2曲演奏されました(結果的に、2016年3月に死去したアーノンクールとベルリン・フィルの最後の共演となりました)。
プログラム前半は、比較的演奏される機会の少ない「ミサ曲ハ長調」です。有名な「ミサ・ソレムニス」の影に隠れがちな作品ですが、当時の宗教曲の常識では考えられない独創性に満ち溢れています。ベートーヴェンに当作を委嘱したエステルハージ候(ハイドンが仕えた君主)は、1807年9月13日の初演の後、ベートーヴェンに「なぜこんな曲にしたのか」と詰問しました。しかしまさにこの反応こそが、ベートーヴェンならではの鋭い個性を証明しているでしょう。
一方後半の「交響曲第5番」は、《運命交響曲》として彼の作品のなかでも特別なポピュラリティを獲得しています。アーノンクールは、こうした有名作品においてこそ力を発揮する指揮者であり、常識的な解釈とはひと味違った個性が際立ちます。その斬新な解釈は、常に話題を呼んできましたが、今回の演奏会では、巨匠指揮者としての円熟味も味わうことができます。
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