ヤニック・ネゼ=セガンがバルトークとショスタコーヴィチを指揮

カナダの若手指揮者、ヤニック・ネゼ=セガンが、ショスタコーヴィチの交響曲第13番《バビ・ヤール》を指揮しました。ソ連当局の反ユダヤ主義に対する告発的メッセージを持つ作品で、バスのソロが活躍。これまで颯爽としたイメージが強かったネゼ=セガンが、この陰鬱な作品をどう解釈するかは大きな聴きものになるでしょう。リサ・バティアシヴィリの弾くバルトークのヴァイオリン協奏曲第1番は、バルトークが愛した女性ヴァイオリニストのために書かれた作品です。

カナダの若手指揮者、ヤニック・ネゼ=セガンが登場しました。現在フィラデルフィア管弦楽団の音楽監督を務めネゼ=セガンは、2020年からニューヨークのメトポリタン歌劇場の音楽監督に就任することが決まっており、ベルリン・フィルにも2010年10月のデビュー以来、定期的に共演を重ねてきました。

今回彼が指揮したのはバスのソロと男声合唱を伴うショスタコーヴィチの交響曲第13番《バビ・ヤール》。この作品で用いられているエフゲニー・エフトゥシェンコが1961年に発表した詩《バビ・ヤール》は、1941年9月、SSによりキエフ近郊の同名の地で虐殺されたユダヤ人3万4000人に思いを寄せる内容となっています。1960年代初頭、ソ連国内で増大していた反ユダヤ主義に対する告発的メッセージを持つ作品ゆえに、当局による執拗な嫌がらせが続いたといいます。初演を聴いた音楽史家のボリス・シュヴァルツはこう書き記しています。「政府関係者のロージェは空っぽで、予定されていたテレビ中継も行われなかった。第1楽章が終わると、客席から拍手が自然とわき起こり、1時間に及ぶ曲の演奏が終わると、稀なほどの熱狂的な喝采に包まれた」。1971年に初めてソ連で出版されたスコアには当局の命令により改編された詩が用いられましたが、今日《バビ・ヤール》は20世紀に生まれた合唱付きの交響曲としては傑作の一つに数えられます。ミハイル・ペトレンコがバスのソロを担当します。

前半はリサ・バティアシヴィリの弾くバルトークのヴァイオリン協奏曲第1番。こちらはバルトークが愛した女性ヴァイオリニストのために1908年に書かれた作品です。

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ヤニック・ネゼ=セガン
リサ・バティアシヴィリ

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アーティスト

ヤニック・ネゼ=セガン 指揮
ベラ・バルトーク 作曲
リサ・バティアシヴィリ ヴァイオリン
ディミトリ・ショスタコーヴィチ 作曲
ミハイル・ペトレンコ バス

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