ロイヤル・アルバートホールからの中継:ラトルのマーラー「第7」
ロンドンの「プロムス」は、世界の音楽祭のなかでも特にポピュラーなものと言えるでしょう。1895年に初めて開催されて以来、広い人気を博し、1941年からは9500人の収容人数を誇るロイヤル・アルバート・ホールで行われています。ラトルとベルリン・フィルは、この客演でマーラーの交響曲第7番とブーレーズの《エクラ》を演奏しています。
ロンドンの「プロムス」は、世界の音楽祭のなかでも特にポピュラーなものと言えるでしょう。1895年に初めて開催されて以来、広い人気を博し、1941年からは9500人の収容人数を誇るロイヤル・アルバート・ホールで行われています。創立者のサー・ヘンリー・ウッドは、「クラシック音楽のメッセージを民主化し、その恵み豊かな効果を一般化する」ことを目的としていました。
同時にこの音楽祭は、イギリス国内だけでなく、国際的なオーケストラの客演地としても知られています。ベルリン・フィルは、1991年にクラウディオ・アバドと共に初めて客演。その後、サー・サイモン・ラトルと繰り返し演奏会を行っています。
交響曲第7番についてマーラー自身は「自分の最良の作品で、おおむね快活な性格を持っている」と書き記しましたが、この「快活さ」はさまざまな要素をはらんでいます。曲は5楽章から成り、悲壮な第1楽章と勝利に満ちた雰囲気のフィナーレを両端に、2つの夜曲とスケルツォが置かれます。中間の3楽章は、マーラーによる夜の自然や夢のシーン、そして牧歌的生活を聴き手に呼び覚まします。ロマンティックでありながらも、グロテスクと心の平衡を失わせる響きが同居した不思議な魅力をたたえた音楽といえるでしょう。また、カウベルに加えて、ギターとマンドリンが登場する楽器編成もユニークです。
今回は、このマーラーの交響曲が2016年初頭に亡くなったブーレーズへのオマージュである《エクラ》との興味深い組み合わせで演奏されます。
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